子弟教育と教会キャンプ
                                               
    キャンプ宣教研究所 篠田真宏
 
「私が、きょう、あなたに命じるすべての命令をあなたがたは守り行なわなければならない。そうすれば、あなたがたは生き、その数はふえ、主があなたがたの先祖たちに誓われた地を所有することができる。・・・それは、人はパンだけで生きるのではない、人は主の口からでるすべてのもので生きる、ということを、あなたにわからせるためであった。・・・あなたは、人がその子を訓練するように、あなたの神、主があなたを訓練されることを、知らなければならない。」(申命記8:1〜5)

 教会でキャンプの話をさせていただくと、「そういえば、開拓のころはよくキャンプをやったわね。そのころの人たちは、今も教会の中心的なリーダーね!とっても楽しかったわ。今は行事として、しなければならないって感じですね。」と聞く。この会話は、一教会だけでなく多くの教会で聞かれることです。

 教会キャンプの効果
 ここに、開拓教会にとっての成長の鍵があります。第一に、キャンプを通して「教会のリーダー」が育つことです。イエス様の弟子訓練も「寝食をともにする」ことによって始められました。キャンプの奉仕を通して救霊に対する思い、組織的な活動への理解、コミュニケーションの増加など、教会の基礎を築くことを学べるのです。それも早い年齢から学ぶことができます。これにより、教会のリーダーが育っていくのです。第二に、教会の温かく、また楽しい交わりがそこにあります。牧師の日常の姿や霊的指導力と信徒が一つのビジョンに向かって進むための交わりを提供しているのです。また、証しなどを聞く機会を通して共同体としての共通認識を持つようになるのです。ここに温かい交わりが生まれてくるのです。これは効果を先に求めたのではなく、結果として効果が生まれているのです。

 ここで日本同盟基督教団の統計を紹介しておきましょう。この教団は松原湖、浜名湖などキャンプに力を入れている教団です。10年ぐらい前の統計ですが・・・。
同盟教団の教職者(牧師、婦人・伝道者)がキャンプにおいて信仰決心したパーセンテージは25%〜30%
同盟教団の教職者(牧師、婦人・伝道者)のキャンプにおける献身決心したパーセンテージは15%〜30%
子弟教育に効果があると思っている教職者は、90%〜98%
日本同盟基督教団では「キャンプは献身者養成のための実績と可能性ある教育・伝道機関である。バイブルキャンプはそれを自覚し、教団と教会は積極的にキャンプに若者を送り、キャンプを支持する。」(パーセンテージのばらつきは、別のデータのため。松原湖バイブルキャンプという超教派の働きを考えると、他郷団・教派、単立などの教職者になっている割合はもっと増えるのではないかと予想されます。)

 教会キャンプの限界
 多くのキャンプや交わりをしていた教会もある時期からキャンプをしなくなります。多くの人がいろいろな意見(費用、場所など)をもち、牧師も信徒リーダーも年齢にともなう視点の変化や、全体で行動できなくなるという現実があります。またキャンプを計画する人が一部の人に集中したり、プログラムのマンネリ化によって、キャンプ本来の良さは伝わらず、行事だからしかたなく行なうことになります。教会の一部の働きになってしまうからです。ここに、教会キャンプの限界が生まれてきます。そして、キャンプを中止するような発言が目立つようになるのです。

 限界の克服
 教会キャンプの限界は教会成長の円熟期を表していると思います。またそれは次の課題を提供していることに気づかなければなりません。それは、キャンプを通して「リーダー」を育てることです。献身者減少など、教会の課題はキャンプのマンネリ化衰退と比例しているのです。
 そこで開拓期のような牧師と信徒の関係(教育的配慮)が続くようなプログラムの提供によって、この問題を克服することが出来るはずです。それには、教会教育として継続的に取り組むことなのです。これは、キャンプだけでなく教会学校のあり方でもあります。子供たちは将来のリーダーであり、教会の次期リーダーを育てることは教会の中心的な働きです。ここに子弟教育と教会キャンプの関係があるのです。ある宣教師の母教会(シカゴ)を訪問したときです。そのときの主任牧師は宣教師が中高校生のときのユースパスターでした。この教会は良い例だといわれています。ロサンゼルスでは数千人の教会の礼拝に出席しました。その礼拝の前に結婚9年目の分級に参加しました。そこには100名以上の人が集まっていました。そしてファミリーキャンプの案内をしていました。全体でなくても、グループを分けてキャンプを行なうことは可能なのです。そしてそれを可能にするのは、教会教育カリキュラムです。教会の方向性の中で教育のテーマが決められ、それをリーダーが委ねられているのです。
 最後にリーダーを育てるのは建物でも、プログラムでもありません。やはり、イエス様に従う人(御言葉に生きる人、その人格)から人へ伝えられていくのです。そのためには交わりが必要です。寝食をともにすることが大切です。開拓期の頃の牧師が信徒を育てたように、教会リーダーが次のリーダーを育てるのです。モーセの荒野の四十年の旅(キャンプ)は。神様の訓練(申命記8章)でした。次のリーダーを育てることになりました。イスラエルでは今でも仮庵の祭りを行ないます。この仮庵の祭りを記念するように、教会がキャンプを行なうことによって荒野の集会で与えられた「生ける御言葉」(使徒7章38節)を皆で体験するのです。それによって、限界を克服し「子弟教育」が円滑に進むのです。教会キャンプは御言葉に生きる人、実践する人を育てる働きだからこそ、子弟教育の最高の環境を提供するのです。

 

                                                             戻る

Copryright(C)2002  Camp Ministry Network All rights reserved